ニッチから入って大きく育てる

だいぶ前に読んだ D.H.H のインタビューに「フレームワークは抽出されるもの」とあるのを思い出した。

なぜ今頃になって、このインタビューを思い出したかというと、最近のマーケティングの世界では最初からマスを狙う戦略は成り立たなくて、ニッチから入って大きく育てる戦略が有効という話を聞いたから。フレームワーク開発でも同じ戦略が有効ということなのかもしれない。まずは適用範囲の小さなニッチから始めて、いろいろなアプリケーションに適用しながら徐々に適用範囲を広げるというように。

平鍋さんのブログに「再利用がその努力コストに見合う効果がでることは極めて稀」とあるけど、アプリケーション開発チームが本当に必要とする必要最低限の小さな再利用部品から始めて少しずつ育てていけば、努力コストに見合うものができるのかもしれない。

変更容易性の話で触れたフレームワーク開発が失敗した原因の一つは、この原則(?)に逆らったためなのかなぁ。再利用性に囚われ過ぎていたせいもあるだろうけど、フレームワーク開発とフレームワークを利用するアプリケーションの開発が分離していなければ、少しは使えるフレームワークにはならなかったのかもしれない。そして改善しやすいようにフレームワークの保守性を高めておけば、そこから徐々に再利用性を高めることができたのかもしれない。