[]解剖男

解剖男
解剖男
遠藤 秀紀

動物の遺体から進化の謎を解き明かそうとする「遺体科学者」のお話。遺体は一研究者のためのものではなく、後世のために残さなければならないという信念を持つ著者の姿には熱いものがあります。遺体に接するからには遺体と一生付き合う覚悟を持つとまで言えるのだから。
著者は、硬い遺体(=骨)と軟らかい遺体(=血肉)から進化の系統と適応の歴史を紐解こうとする。ソフトウェアについても同じことが言えるかもしれない。ソフトウェアの骨格(=フレームワーク)から様々なアプリケーションを作り出すことができるけど、アプリケーションが置かれる環境は少しずつ異なるから環境に応じて適応していかないといけない。環境によっては骨格を変化させる必要があるだろう。
骨格に手を入れるためには、骨格のソースコードを変更すればいいのだけれど、ちょっとした変化やお試しで変化させてみたいときには高くつきすぎる。Rubyのような言語が持つメタプログラミング機能があれば、コードを変更することなく、骨格をある程度まで変化させることができる。この機能があるとないとで、フレームワークを適用できる範囲に大きな差が出る。
話を元に戻すと、動物の骨格にも適応のためのどのような仕組みがあるんだろう。ソフトウェアでいうメタプログラミングのような仕組みがあるんだろうか。もしかして、DNAがそれに相当するのかな。